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楽器が脳に良い理由
楽器を弾くと、脳の構造と機能をアップさせる!とよく聞きますよね。
ピアノができる子は、頭がいい。
小学校の時、こう思っていた方も多いと思います。
どうやら・・最近の研究によると、これはもっぱら都市伝説では無いようです。
どうせ、子供から始めないと意味ないでしょ?と思ったあなた。
確かに、子供から楽器を始めることのメリットはとてつもないです。(後半でまとめます)
しかし!わたくしチェロ男のようなアラフォー、または還暦から楽器を始められた先輩方にも朗報です。
楽器が脳に与える影響は、年齢関係なし!(若いほうが高まりますが)
①長期的な記憶力が向上 ②全体的な脳の発達、というメリットがあるのだとか。
特に「脳」にフォーカスしていきます!
楽器をやると反応速度が上がる
カナダ・モントリオール大学の研究者のSimon Landry氏は、音楽家は聴覚、触覚、音声への反応時間が速いことを発見しました。
と、いうことは、
人は年をとると反応速度が遅くなる→楽器を演奏することがその人にとって役に立つかも
ということをLandryさんは主張しているわけです。
将来、楽器をやっていれば、車の免許の更新も楽になるかも・・
楽器は脳トレゲームよりも効果がある
ウェストミンスター大学の神経心理学者Catherine Loveday氏は、「音楽は、私たちの感情と結びついているため、非常に強力な方法で脳を刺激する」とも言っています。
Loveday氏によると、楽器は、脳トレゲームとは根本的に違うそうです。
なぜなら、楽器は、視覚、聴覚、触覚、そして細かい動きから得られる情報を統合しているから。
その結果、脳に長期的な変化がもたらされるのだとか。
楽器を演奏すると、脳はどうやって変化する?
最近は、脳もスキャンできるようにより、音楽家と非音楽家の脳構造の違いも明らかになりました。
一番の違いは、脳の右脳と左脳をつなぐ巨大な神経線維の束である脳梁(のうりょう)
これが、音楽家はふつうより大きくなっているそうです。
いやいや、生まれつきでしょう?って思いますが、研究により、14か月間の音楽トレーニングを行った子どもは、より強力な脳の構造的・機能的変化を示すことが研究でわかったのです。
これらの研究によって、楽器を学ぶことの脳へ与えるメリットがたくさん明らかになりました。
楽器を習うと・・
言語記憶、空間的推論、読み書きの能力を向上させる
などがわかっています。
音楽家にとっての長期的なメリット
脳スキャン調査によってわかったのは、音楽を始める年齢です。
先程も言いましたが、若い頃に音楽を学ぶと、最も劇的な変化が起こります。それはそうですよね。
面白いのは、2013年の研究では、「短期間の音楽トレーニング」でも、その効果は長続きするということがわかったそうです。
さらに、研究者たちは、失読症の子どもたちの音声処理や学習にも、楽器の演奏が役立つと考えています。
楽器を習うと、脳を認知症から守ることができるとも言われています。
さきほどのLoveday氏によると、「音楽は、他のものではできない方法で脳を成長させる強力な認知刺激であり、音楽トレーニングがワーキングメモリや言語などを向上させることを示す証拠は、非常に強固なものです」とのこと。
メリットありすぎですね。
ついでに、ペンシルバニア大学ペレルマン医科大学の神経科学学科長であるジョン・ダニ博士の言葉もご紹介しましょう。
ジョン博士は、「楽器を演奏することは、中枢神経系のすべての主要部分に作用し、右脳と左脳の両方に働きかけることになります」と述べています。
例えば、チェロの演奏は、右手で左手とは異なる動きをする必要がありますよね。
そのために、演奏者は指の動きを制御する末梢神経系を使って、大きな動きや細かい動きをしています。
そして、曲を演奏するとき、頭の中は、先のことを考えて、それを実際に演奏して・・というように、常に「計画と実行」が求められます。
これに加えて、視覚、聴覚、感情、そしてすべての要素が同時に入力されます。そのことで、脳は完全に 「トレーニング 」されている状態になるわけです。
楽器の脳への効果は、60歳を超えてもある!!
子供の頃に楽器を習っていれば、生涯にわたって脳に良い影響を与えることができるでしょう。
もう、年取ったら無理だろうな・・そう思ったあなたに朗報です。
60代以上になってから音楽のレッスンを受けても、脳の健康状態も向上し、記憶力や認知機能の低下を抑えることができるのだとか!!
60歳から85歳までの間にピアノを始めた人を対象とした研究結果があります。
それによると、
ということなのです。
遅すぎるということはないのです!!
楽器を弾ける子供は、学校の成績がいい
さて、最後に、勉強への影響がどれだけあるか?
についても付け加えておきます。
米国心理学会の、Journal of Educational Psychology®に掲載された米国心理学会の研究結果です。
楽器と学力の研究を測る研究対象
研究の対象者は以下の通り
- ブリティッシュ・コロンビア州で、2000年から2003年の間に1年生になった生徒
- 高校の3年間を修了した生徒
- 数学、科学、英語の験を少なくとも1回受けた生徒
- 適切な人口統計学的情報(性別、民族、近隣の社会経済的地位など)を持っているすべての生徒の学校の記録
※調査対象となった112,000件以上の学生記録のうち、約13%の学生が高校生のうちで少なくとも1つの音楽コースに参加していました。
楽器と学力 研究の結果は?
研究をしたブリティッシュコロンビア大学のGouzouasis氏は、以下のように結論づけています。
長年にわたって楽器演奏を学び、高校のバンドやオーケストラで演奏するようになった子どもたちは、試験の成績で測定される英語、数学、科学のスキルに関して、平均して同世代の子どもたちよりも約1学年分進んでいた”
更に研究者を驚かせたのは、3つの教科(数学、科学、英語)すべてにわたって関連性が一貫していることでした。
これらの関連性は、性別、民族、社会経済的背景、中学1年生のときの同様の試験の成績などの人口統計学的要因をコントロールしても、同じだったとのこと・・
子供には、絶対楽器ですね笑
まとめ 楽器最高!
いかがだってでしょうか。
楽器が脳に与えるとてつもない効果・・これは間違いなさそうです。
勇気づけるのは、大人になっても効果は大きいというところ。
もし、子供がいる方は、ぜひ楽器を勧めたいですよね。
脳はもちろんですが、私は、人類がみんが楽器を持って、音楽を奏でれば、世界は平和になると本気で思っています。
争うより、音楽を奏でて歌いましょう!
今回の参考記事 american phycological association, inc.com, penn medicine news
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